獅子頭宮出し
佃祭の象徴の一つ、獅子頭の宮出しが行われます。獅子頭の宮出しにも年番があり、今年は参部が年番。住吉神社の鳥居の正面に立つ、赤い鳥居の元からスタートします。住吉神社境内で同部の世話人が獅子頭を担ぎ、待機します。赤旗が振られ、いち早く獅子頭の鼻綱を掴むため男たちが駆け寄ります。
各部毎に雄雌対の獅子頭を担ぎます。代表の「刺せー」の掛け声で天高く獅子頭を持ち上げます。各部それぞれに獅子の担ぎ方に特徴があり、どれも男たちの必死な姿が印象的です。獅子の胴体部分のあおりは大若衆が引き、頭とあおりが舞う姿はとても力強く、豪快そのもの。
獅子頭御旅所巡行
各部毎に宮出しした獅子頭は勝どきにある「御旅所」へ巡行します。巡行の際、先頭には木遣り(きやり)を唄う方々がいらっしゃいます。木遣り(きやり)は木を遣り渡す(運ぶ)という意味で、重い木や石を大勢で運ぶ際、息をあわせるために唄ったものらしいです。江戸では、町火消しの鳶たちのたしなみとして発展し、棟上や祝儀、また祭礼などの練り唄に転用され、江戸独特の木遣り唄が生まれたといわれています。(*引用:公益財団法人東日本鉄道文化財団)
もんじゃストリートを抜け、勝どきにに入り、約2kmを練り歩きます。巡行中、遺影を掲げている方々がいます。その遺影を見つけると獅子頭を担いでいる若衆は近寄って行き、その遺影の目の前で獅子頭を天高く刺します。これは、過去に佃祭に縁を持ち、亡くなった方々をまた祭りに参加してもらうという意味を持ちます。長い歴史を引き継ぎ、絶やさなかった先輩たちへの敬意と感謝を感じます。
獅子頭佃町内巡行
御旅所巡行を終えた後は、各部それぞれ、町内を巡行します。町内には住吉講の担い手として、たくさんの地元の方が参加をされています。遺影を掲げ、亡くなった方に今年の大祭実施を報告できる喜びに涙を流す方もいらっしゃいました。
宮神輿御霊遷し
昼間は大いに活気づき、町内を超えて、湾岸エリアに祭りが始まったという雰囲気が流れました。いよいよ、翌日は最大の見せ場である宮神輿の宮出しです。前日にお神輿に御霊を遷す儀式が行われます。昼間の活気とは正反対の静寂の中での儀式になります。御霊を遷す際には、周辺の灯りは消され、静寂に包まれます。宮司の警蹕だけが響き渡り、とても神秘的な神事でした。*儀式の最中は一切の撮影・点灯は禁止であり、写真はあくまでもイメージです。
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