居心地追求型焼き鳥居酒屋 カチトリ

勝どきエリアにはふとした瞬間に違和感を感じる空間が存在する。それはおそらくコロナやオリンピックなど、ハプニングや大きなイベントが混在し、少し混沌と下からではないかと思う。進んだものもあれば、退いたものもある。そんな進退の中心にある勝どきにポツンとこれまた不思議な建物が。そこにはとても魅力的な逸品と落ち着きを与えてくれる人の存在があった。

取材/ 藤原大介
ライティング・撮影/ 白坂慎一郎

勝どきの焼き鳥屋さんだからカチトリ都会の中にある田舎。不思議空間で食す逸品!

ここはどこ?
タワーマンション群にある不思議な建物

入口もかなり年季が入ってます。

カチトリは新島橋の袂に昔ながらの長屋があり、その中にお店があります。2 階にも目立つ看板が。外観を見た時に少し違和感を感じました。その違和感はやはり建物の作り。元々は古くからあった長屋をビルの建設やマンション予定地として分割したのだとか。かなり風格のある建物です。

向こう側に見えるタワマンとのミスマッチが不思議な印象を受けます。

早速、店長の案内で店内に入ってみると、店内ももちろん雰囲気ある木造。なんというか、年季が入っていてとても落ち着く空間です。たまに、一人焼き鳥に行く僕としてはありがたいカウンター席。女性のおひとり様も多いそう。

焼鳥屋さんなのにボトルワインが並ぶカウンター

カチトリはワインが飲める焼き鳥屋。焼き鳥と言えばビールやハイボールが相方ドリンクをして選ばれがちですが、カチトリの焼き鳥は大ぶりで国産鶏を使用しているため、タレではなく塩で上品に楽しむのも有り。上品に楽しむ時はワインにも合わせてみてください!

真剣な眼差しで焼き鳥を焼く曽木店長

「雰囲気のいいお店ですね。なんだか、祖母の家に来た時のような落ち着きを感じます。これもお店のコンセプトですか?」

「いえ、ただのオーナーの趣味です(笑)結構、わがままを詰め込むのが好きな人で、自分があったらいいなというサービスとかメニューを無理言って入れてくるんですよ…. 例えば、このテーブルの横の受話器。2 階の全席についてるんですけど、自分がお店の人に気を遣って、呼び辛い経験があったみたいで、いつでもオーダーできるように受話器をつけたんですよ。今はさらに進化して、テーブルオーダーのシステムになってます(笑)」

「そうなんですね… でも、お客さんとしてはありがたいかもしれませんね。僕自身も忙しそうな時は中々声かけづらかったりします。というか、2 階席!広々でここもまた居心地がいいですねー。テーブルも広くて、子供とも来れそう」

「そうなんです。1階はカウンター席で、2 階は広めのテーブル席です。勝どきってファミリー層が結構多いから、お子様を連れて食べに来てくださる方も結構多いです。昨日は1階のカウンター席で宿題してるお子様もいました(笑)」

2 階はテーブル広めのソファ席、テラス席も

「すごいですね… 居心地が良すぎるんじゃないですか?」

「もう店長務めて7 年目ですけど、ほとんどお客さんが変わらないですね。もちろん、コロナがあって、しばらく会えなかったお客さんもいましたけど、最近少し落ち着いてきて、見なかったお客さんもまた頻繁に足を運んでくれます。お子さんとも顔見知りになって、日々の成長が楽しかったりしてます。

カチトリの居心地はお客さんと店長を含むスタッフさんの関係性からも出ているんです。僕だけかもしれませんが、焼鳥屋さんって小さい頃とても憧れの場所でした。煙がかっていて、少しダーティーで、そこで大人たちが楽しんでいる。子供の頃は中々連れて行ってもらえませんでしたが、カチトリのようなお店なら、子供と一緒にお酒が楽しめそうな気がします。

カチトリの焼き鳥とメニュー

「子供も楽しめる焼き鳥屋…. いいですね。カチトリの焼き鳥は少し大ぶりですよね?僕、福岡にしばらく居たんですけど意外と福岡は小ぶりの焼き鳥が多かったです。しかも、とてもプリプリでした。何か秘密があるんですか?」

「うちの焼き鳥は全て国産鶏で、前処理にも手間をかけてるんですよ。これもオーナーのこだわりで、つまみとしての焼き鳥じゃなくて、一品料理としての焼き鳥を出すことを心がけてます。全部、炭火で焼いてます。」

「やっぱり手間がかかってるんですね。その中でもおすすめの商品ってありますか?」

「レバーですね。国産の新鮮なレバーはウチ以外のお店でもあんまり見ないですね。レバーとワインがまた相性がいいので、是非合わせてみてください。」

自家製ダレにつけた「レバー」と「鶏皮」

「今回、色々お話聞いてみて、こだわりがすごいなと思いました。やっぱり、こだわりが強いお店はお客様に認められる。 そう言うことですね!」

「あ、こだわりはあんまりないです(笑)」

「え、すごいこだわりじゃないですか!」

「うちには刺身もあるんですよ。名前はカチトリですけど、美味しい魚もあります。基本的に、オーナーを筆頭に私たちが好きなものや食べたいものを揃えてるだけなんです。
なので、こだわりというより『あったらいいな』や『食べてみたいな』という願望を実際にやってみて、本当に美味しかったらお客様にも食べてもらうという感じです。」

「なるほど」

「こだわりという点では自分たちが美味しいと思うものから、商品にしていくので強いかもしれませんが、これじゃないといけないとか、ルールみたいなのはないんです。だって、テーブルに受話器がついてるんですよ(笑)これも好きた時に欲しいものを頼みたいと思う自分たちの願望で設置したものです。でも、結果的に飲みたいタイミングで美味しいビールが飲めるって最高ですよね。」

「確かに…. なるほど!そうやって居心地って生まれてるんですね。」

「ずっといるんで、私は慣れちゃいましたけど、お客さんにそうやって思ってもらえたら嬉しいです。」

最初はクールだった店長曽木さん。最後はピースしてくれました。

タワマン群にある木造長屋の焼鳥屋さんはとても懐かしく、酒飲みにはぴったりの気を使わない空間でした。変わりゆく情勢で、カチトリみたいなホッとするお店は意外と少ないのかもしれません。
是非、皆さんも店長の曽木さんに会いに行ってみてください!

店舗情報

店名カチトリ
ジャンル焼き鳥
予算3500円(通常平均)、3500円(コース平均)
アクセス勝どき駅から徒歩6分
座席数カウンター8席、テーブル席2階32席、テラス席4席
住所〒104-0054 東京都中央区勝どき3-8-8
営業時間ディナー 16時00分~24時00分(L.O23時30分
定休日
電話番号03-6225-0806
予約方法電話 又は オンライン
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131302/13127820/
たばこ分煙(加熱式たばこ限定)
駐車場
感染対策アルコール設置
家族向けおすすめ度 8点/10点
2階席広いテーブル有、お子様メニュー無
バリアフリーおすすめ度 2点/10点
1階入り口が少し狭い
決済方法現金、クレジットカード
HPhttp://smoth-party.jp/
SNShttps://www.instagram.com/_kachitori/

曽木さんの焼く絶品焼鳥をデリバリ―でご自宅までお届け!