海に囲まれたここ日本では、魚を干して保存性を高めた干物の文化が古くからあり、縄文時代の貝塚からは魚や貝を干した形跡が発見されているそうです。ただ、実際に干物がどのように取り扱われているかをご存じの方はあまりいないのではないでしょうか?干物の商いを約70年続けてきた豊洲市場仲卸の「株式会社 村和」さんに、こだわりの干物についてお話しを伺いしました。
村和の干物とは?
村和では全国各地の生産者が愛情をこめて作った干物を常時約200種類取り揃えています。アジ・サンマ・サバ・シマホッケなどスーパーなどでよく見かける干物をはじめ、本ししゃも・のどぐろなどの高級品や、ご飯にぴったりのシラスなどを産地、種類、サイズ別に取り揃えています。またスーパーなどには並ばない珍しい干物なども取り扱っております。
私たちは自分で干物を作ることはありませんが、日本一の集荷を誇る豊洲市場で干物を取り扱う、いわば『干物の目利き』のプロ集団です。こだわりの干物をつくるメーカーや生産者の方々と直接お取引きをさせていただいております。
村和の大切にしているもの
村和は縁を大切にお付き合いしています。生産者さんだけでなく、その干物を配送してくれる方々、その干物をお求めになられる皆様。旨い干物を通じて、人と人とのつながりを大切に日々商売をしています。魚屋さん、小売店、海外輸出、病院、老人ホーム、給食、飲食店、お納め屋さん、仲卸の仲間、一般素人のご夫婦や、おばちゃんなど本当にたくさんの方々とお付き合いさせていただいています。
「脂が乗った良い干物入ったねぇ、これ貰おうか?」「小分けで、これとこれ、お願い!」
こういった掛け合いが見られるのが村和の商売です。さまざまな業種の方々と日々いろいろな会話を通じ商売をしています。
3代目 村山社長のお話し
私の祖父、村山達男が、15歳の頃より将来は仲卸人として生きていくことを目標に、築地市場の仲卸で修行をしておりましたのが村和の始まりです。真夜中に大人に手を引っ張られ築地市場へ向う。寒くて、眠くて本当に辛かったとよく聞かされてました。
祖父の青年時代、時は第二次世界大戦へ突入します。祖父は出兵することとなりましたが、戦争を終え無事に生きて築地市場へ戻ってくることができました。そして、その後、第一水産に入社し、干物を扱うセリ人となり、昭和32年に独立し村和商店を設立しました。その後、父が二代目として跡を継ぎ、おじいちゃん子であった私が三代目となります。
村和の「和」には、祖父の平和への強い願いが込められています。創業の心、和の心を大切に、これまで築き上げてくれたことへの感謝の気持ちを忘れず、皆様へ干物を通じて喜びを届けることを使命として、日々精進しています。
村山社長のロングインタビューはこちら!
会社概要
会社名 | 株式会社村和(豊洲市場 水産仲卸売場棟に店舗がございます) |
代表者 | 村山 欽一 |
住所 | 〒104-0045 東京都中央区築地7-11-12 中銀築地マンション603号 |
電話番号 | 03-3545-3166 |
創業 | 1957年10月 |
営業時間 | 3:00~10:00(場合により早く閉店することがあります) |