中央区のベビーシッター利用支援事業の使いづらさについて考えてみた。

東京都では、平成30年度から、待機児童対策としてベビーシッター利用支援事業を実施しています。このサービスは、東京都の認定を受けたベビーシッター事業者を利用する場合、利用料の一部を助成するものです。

今までは手が出しづらかったベビーシッターサービスが気軽に使えるとあって、これから利用者が増え、待機児童の減少や、子育て世代の多様なニーズの実現が期待されています。

そんなベビーシッター利用支援事業ですが、東京都の利用制限はあるものの、詳細は各自治体によって様々です。東京都が定めた利用制限と、中央区が独自で定めた利用制限には異なる点がいくつかあります。特に大きな違いを2点比較し、そこから生まれるデメリットを調べてみました。

東京都と中央区の利用制限の違いは?

東京都と中央区の利用制限の大きく違う点は『利用時間数』『利用可能な時間帯』の2点です。

わかりやすく、並べてみましょう。

①利用時間数の制限

東京都144時間/年度あたり
中央区12時間/月あたり

②利用可能な時間帯の制限

東京都夜間帯保育を必要とする保護者の場合は24時間いつでも
中央区毎日午前7時から午後10時まで

中央区の利用制限、デメリットは?

上記の比較の違い、そこまで大きな違いがないようにも見えますが、実際利用するとなるといくつか不便な点が見えてきました。

①利用時間数の制限

比較してみると合計時間数は同じです。しかし、月あたりの時間制限となった場合、一気にまとまった時間数を使えないということになります。
保育園入園後の慣らし保育(慣れ保育)では、子どもが保育園に慣れるため、1日1時間や2時間のみの預かりもあります。また、子どもが体調を崩した場合、1日で治るということはほとんどありません。長引いたり、きょうだい児がいる場合は、再び保育園に通えるまでに1週間以上かかることも少なくありません。いずれの場合も、本当に困ったときにはまとまった時間数でベビーシッターをお願いしたいことが多々あります。中央区の「月あたり」の制限では保護者のニーズが叶わないことがあるかも知れません。

②利用可能な時間帯の制限

東京都と違って、中央区は夜間のベビーシッター利用は助成の対象外となります。他の区では夜間も対象になる自治体が多いのに、なぜなのでしょう。理由の一つとして既存の施設型ベビーシッターを利用してもらう前提なのではないかと言われています。しかし、実際に施設型のベビーシッターを利用する方はわずかで、あまり普及していないのが現実です。一人一人に合ったベビーシッターサービスを利用するには、夜間利用も助成対象にしてほしいところです。

多様なニーズに合うサービスを!

東京都が打ち出している事業目的には「保護者の多様なニーズに応える」とあります。
子育て支援として非常に大きい意味を持つ『ベビーシッター利用支援事業』だからこそ、保護者の働き方が多様化している昨今のニーズに合ったサービスを、各自治体が追求しより良くしていってほしいですね。

《参考ページ》

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