晴海4丁目に水素ステーションがOpen!

HARUMI FLAGやららテラス、はるみらいが新しくできるエリアに水素ステーションが誕生します。その名も『東京晴海水素ステーション』。場所は、先日記事にもあがった中央清掃工場のお隣。今までは仮設で営業していましたが、2月1日より正式にOpenとなります。

なんとな環境にいいものってことは知ってるけど…
そもそも水素エンジンって何?水素ステーションって何をするところ?
など、皆さんの疑問を少しだけ深掘りしていきます!

水素ステーションって何?

最近話題の環境に優しい車、「燃料電池自動車」。ガソリンの代わりに水素と酸素の化学反応でモーターを動かす、いわゆる「水素エンジン」で走ります。そのため、燃料の供給に必要となるのは、ガソリンスタンドではなく「水素ステーション」となります。

水素ステーションはガソリンスタンドのように、ノズルから車両に水素を供給する設備が備わっています。水素ステーションは大きく分けて、その場で水素も製造しているオンサイト型と、ガソリンスタンドのように他から水素を持ってきているオフサイト型、また複数の場所で運営可能な移動式ステーションがあります。オンサイト型では、都市ガスやLPG等を原料に水素を製造したり、電気で水を電気分解して水素を製造しています。

出典: 資源エネルギー庁 燃料電池推進室 「燃料電池自動車について」
第3回水素・燃料電池戦略協議会(2014年3月4日)より引用

水素エンジンとは?

水素エンジンは、水素と酸素を燃焼させた際に発生する水蒸気などで、エンジンにおける作動ガス全体の圧力を上昇させてピストンを動かし、動力を発生させています。現在、水素を直接燃焼するエンジンをもつ水素自動車は市販されていませんが、水素エンジン搭載の水素燃料電池自動車に関しては、国内の自動車メーカーが市販車として販売を行っています。 まだまだ流通数自体は少ないですが、水素を使用した地球環境に優しい自動車はすでに街中を走っているのです。

水素エンジンの燃費は、ガソリンエンジンと比較して低い傾向です。また、水素はレギュラーガソリンの価格を上回ることから、ランニングコストは高上がりとなるでしょう。

水素ステーションってどれくらいあるの?

水素ステーションは、2023年1月時点で、都市部を中心に全国163ヶ所に設置されています。主に、首都圏・中京圏・関西圏・九州圏の四大都市圏と、これらを結ぶ幹線沿いを中心に整備が進行中です。現在東京には、計画中のものも含めると23か所の水素ステーションがあります。

今後開所予定の地域もありますが、整備はまだ始まったばかり。全国的に普及していくためには、まだ時間がかかるかもしれません。しかし、国も水素ステーションの建設整備を支援し普及を推進していることから、今後ますます増えていくことが予想されます。

《参考ページ》
http://fccj.jp/hystation/kanto.html#hystop

水素エンジンのメリット・デメリット

水素エンジンのメリットは、二酸化炭素を排出しない点にあります。
水素の化学反応を用いた水素エンジンでは、排出されるのは水のみです。温室効果ガスの削減を地球全体で考えなければならない状況に置かれているいま、多くの人が利用する自動車から排出される二酸化炭素を削減できれば、環境問題への取り組みも大きく前進するでしょう。
また、水素エンジン車であれば従来のガソリンエンジン車をベースとして、少し改良するだけで製造できる点も大きなメリットです。
モーターで動く電気自動車や燃料電池自動車では動力の構造自体が異なるため、部品の製造に新たな設備や技術が必要です。一方、水素エンジンであれば、コストを抑えながら環境に配慮した自動車を製造できます。

水素エンジンのデメリットは、水素を補給するためのインフラが整備されていない点にあります。
ガソリンスタンドや充電ステーションは普及しているものの、水素ステーションはわずかしか設置されていません。水素を補給するステーションがなければ、利用の地域や用途が限定されてしまいます。
また、水素そのものがガソリンに比べて高額である点もデメリットです。
車両自体もガソリン自動車よりも高額になる可能性が高いことから、水素エンジン車が一般に普及するまでに、しばらく時間がかかる可能性は否めません。

水素ステーション拡充のための取り組み

水素ステーション設置を促す補助金制度

燃料電池自動車の普及を進めるために、国は「水素ステーション整備事業費補助金」事業を実施しています。整備費用の一部を補助することで、水素ステーションの設置を進めることが目的です。
燃料電池自動車の普及には、水素ステーションの整備が不可欠です。水素ステーションの普及が全国的に進めば、燃料電池自動車の普及も進んでいくと期待されています。
水素ステーションの整備は、水素需要が大きいと考えられる四大都市圏や、都市間をつなぐ地域などで進行中です。需要が少ない未整備地域においては、移動式水素ステーションの移設などが検討されています。政府は、2030年までに1000基の水素ステーションを設置することを目標に掲げています。

《参考ページ》
https://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2021/kokai/overview6.pdf

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