伝統と念仏踊りの魅力の佃島盆踊り(東京都指定無形民俗文化財)を写真でお楽しみください

江戸時代から続く佃島盆踊りは歌い手が音楽なしで歌い続けます

佃島盆踊りを特別なものにしているものは「念仏踊り」

佃島盆踊りは、東京都中央区の佃島地区で毎年夏に行われる盛大な祭りです。今年は一昨年のコロナ、昨年の大雨で中止となったため、3年ぶりの開催となりました。佃島盆踊りの起源は、江戸時代にまで遡ると言われています。
佃島盆踊りが他の盆踊りと違う点は派手な演出や装飾はなく、ただただ祖先や亡くなられた方の魂を弔う静かな祈りが込められた踊りです。念仏踊りは音楽に合わせて踊るのではなく、内面から湧き上がる感情と情熱を身体の動きに込めて踊ります。

子どもから大人までたくさんの人が集まる夏の風物詩

子どもと大人が集まる時間は分けられ、夕暮れの時間は子たちの時間です。近所に住む子どもたちが集まり出します。浴衣を着た子や法被を着た子、子どもたちにとってもとても貴重な時間です。お母さんやお父さんに踊りを教えてもらいます。でも、本当の狙いは最後にもらえる「お菓子」。長蛇の列が出来ていました(笑)

子どもたちの時間は19時30分まで。そこからは大人たちの時間です。ここからはかなり神秘的な時間でした。

地元の方たちを中心にたくさんの人が、歌い手が登る櫓の周りを囲み、ひたすらに踊り続けます。冒頭でも述べたように派手さや演出はありません。音頭に合わせて無心で踊ります。それは見ている人の心を揺さぶります。

佃島盆踊りは、単なる地元の祭り以上のものでした。それは日本の歴史、伝統、そして人々の心を具現化したものです。佃島盆踊りは、その豊かな歴史と伝統を通じて、人々の心に深く訴えかけ、次の世代にもその文化を引き継いでいくことでしょう。

カメラマン・記者/白坂慎一郎