月島の裏路地にたたずむ「DOWNTOWN」は2020年にオープンした、その界隈では有名なおしゃれなメガネ屋さん。おしゃれな人を見るとつい目をそらしてしまう湾岸新聞編集長の藤原は、はたしてまともに取材ができるのでしょうか。
―はじめまして、湾岸新聞の藤原です!本日はよろしくお願いいたします。
原さん:DOWNTOWN代表の原です、こちらこそよろしくお願いいたします。
ーさて、原さんのことおしゃれすぎて近寄りがたいって思っている人、多いと思うので、今から原さんを解剖していきたいと思います。
原さん:そうですかね(笑)
―そうですよ、お店、おしゃれMAXじゃないですか。私のような属性の人は、入りにくいし、店員さんに話しかけづらいと思います。
原さん:お店が奥に長くて外に向いてないので、たしかに一瞬入りづらいとは思います(笑)
―スタバに入りにくい人がいるのと一緒です。これから湾岸新聞がそのハードルを下げていこうと思います!
DOWNTOWNはどんなメガネ屋さん?
原さん:そうですね、ありがたいことに、おしゃれなお店という認知をいただいていまして、正直、8割以上は外から(湾岸エリア外)のお客さんが来てくださるお店になっています。でもやっぱり、こういうお店ではありますけど、例えば、検眼だけしてほしいとか、レンズ交換だけとか、ネジが取れちゃったとか、そういうときこそ気軽に来ていただける店であり続けたいと考えていて、町のメガネ屋さんとしての側面を僕らは大事にしています。
―「町のメガネ屋さん」ってすごく良いフレーズだなと思いました。お店に来てちょこっと直してもらって、店主さんと仲良しになって、話して、お茶飲みながら。すごく素敵です。町の機能としてとても重要かもしれないです。他のお店で買ったメガネも直してもらえますか?
原さん:もちろんです。手前味噌ながら、うちのお店めちゃくちゃ調整が上手いです。これだけ細かく調整できるお店はあまりないと思います。人間の顔って、当然、みんな形が違うので、例えば、鼻がちょっと歪んでいて左のまつ毛だけがメガネにあたっちゃうというような細かい悩みを個別に解決します。
―子ども向けのメガネもありますか?うちは私も妻も昔から目が悪いので、子どもたちも多分みんな目が悪くなっちゃう。妻が、当時はかわいいのがなくてメガネをかけるのがすごく嫌だったとよく言っているので、子どもたちには自分がすきなメガネをかけてほしいとずっと思っていまして。
原さん:お子さん向けのメガネもご用意しています。僕がまさにそうでした、自分がもうずっと目が悪くて。小学校低学年くらいでメガネをかけないと黒板の字が見えませんよっていうくらいでした。で、めちゃくちゃ嫌だった。そのときのメガネのイメージって、スポーツできなそうとか、なんだかちょっと暗そうみたいなイメージがあって、できるかぎりメガネをしたくなくて、コンタクトをつける日を待ちわびていました。でも、その後にサングラスなんかをファッションとして買ったときに、メガネがネガティブなものからめちゃくちゃカッコいいポジティブに振りきれて、これは面白いかもしれない!そういうメガネの世界があることに気づきました。
DOWNTOWNオープン
―起業って勢いがないとできないと思うのですが、メガネ屋さんを開店するときは、勝算はあったのですか?ご結婚されてお子さんもいらっしゃると、奥さんに反対されなかったですか?
原さん:いや、どうでしょう。あまり勝算なかったかもしれないです。いや、もうやるしかないなぁみたいな感じだったような気がします、当時。お金的なプレッシャーは多少ありましたけど。妻も快くよくやらせてくれて。いや、快くだったかは、ちょっと分からないな(笑)
―開業当初は別の場所にお店があったと聞きました。
原さん:はい、2021年に今の場所に移転しました。今もそうですけど、以前のお店は、もう本当にめっちゃくちゃ分かりにくい場所で、「よくここに店を作りましたね」って常連さんから今でも言われます。値段もそれなりのメガネが置いてあるのに「なぜここに?」というのは、たしかにあったかもしれないです。今のお店は、もともとが古民家で、以前のお店も今のお店も、勝どきの内装屋さんにお願いしてつくってもらいました。
―DOWNTOWNメンバーとの出会いをおしえてください。
原さん:今、お店を一緒に運営してくれているのが、中山くんとMIKUちゃん。中山くんは地元の友達でメガネがめちゃくちゃ好きで、大学生の頃からメガネ屋をいつか一緒にやろう!と。MIKUちゃんは、僕がまだサラリーマンの頃、熊本の「中原」というメガネ屋さんと取引があって、彼女はそこに所属していたんですが、彼女のYoutubeチャンネルに僕が出演するお話をいただいたのがきっかけで知り合って、彼女が中原さんを退職して関東に来るという話を聞きつけて、じゃあ、うちに来て!って。
―私、そのYoutubeチャンネル知ってます!私メガネかけてるからかな、たまたま見つけて(笑)それから、これも本当にたまたまですけど『TOKYO MEGANE JUNK』も観てます!
原さん:え~、そうなんですか、ありがとうございます!
原さんのことを聞いてみました
―ところで、あそこに存在感のある絵がありますけど、ご自身でも絵を描かれたりされますか?
原さん:はい、あれは、高校の美術教師だった母が描いた絵です。幼稚園の運動会の絵なのですけど、やっぱりメガネ屋なので、メガネを足しとこうと思ってサングラスを僕が描き足しました。僕はずっと美術がすごく好きで、昔は漫画家になりたかったんです、一時期は本気で。だから絵もめちゃくちゃ好きで、習ったことはないですけど、ずっと描いていました。
―絵はお店に飾らないのですか?
原さん:あの絵、以前BEAMSさんでポップアップショップをしたときに「ぜひ!」と言っていただいて飾っていたのですが、それがお店にもどってきて。今は、、、梱包用のプチプチがついたままですね(笑)
―お店の入り口に書いてあるこれは??
原さん:僕、小室さん世代で、Globeが好きでFace placesっていう歌があって、その曲の歌詞が元ネタです。で、インスタで「これ分かりますか?」って聞いたら、わかってくれる人が数名いて、めっちゃ嬉しくなるみたいな(笑)
―原さん、おしゃれMAXだからガチガチに洋楽とか聴いてそうなのに、親近感がわきました(笑)
原さん:僕ら実はそっち側でもあって、歌謡曲とかポップスというか、ちょっとこうカッコつけてツウぶることもできるんですけど、結局、小室さん好き、安室ちゃん好き、みたいな感じです(笑)
―原さん、お住まいも湾岸エリアですか?
原さん:はい。もともとは八丁堀に住んでいたのですが、子どもが近所の保育園になかなか入れなくて、入園できたのが晴海にある保育園でした。それこそ自転車でも送り迎えがちょっとキツイ、ってことで引っ越してきました。引っ越してきて、もう10年以上になりますけど、子育ても含めて色々過ごしやすいエリアだなって感じています。あ、本当は、元々のもともとは、港区に。頑張って港区に住んでいました(笑)
―港区!おしゃれMAX(笑)
―原さんおススメのご飯屋さんをおしえてください。やっぱり、もんじゃですか?
原さん:月島なのでもんじゃも食べますけど(笑)、お客さんに教えてもらうお店に行くことが多いですね。僕のおススメは中華で、huganていうお店。あそこうまいですよ、中華料理を食べている感覚じゃないというか、何かオリエンタル系なのかな。思いもよらない角度から中華にアプローチしている感じがして、味がなんというかスパイシーな方向に振れていて。めちゃくちゃいいお店ですよ。
―そのお店、行ってみたいです。ジャストアイデアですけど、湾岸エリアの人たちみんなで飲みに行って座談会したいです。お酒飲みながら、あのタワマンにはめちゃくちゃ美男美女のパパママがいるとか、このタワマンの管理組合にはこんな闇があってとか、あそこのタワマンの部屋、値崩れしているらしいよとか(笑)
原さん:タワマンネタめっちゃ面白い。いいですね、ぜひやりましょう(笑)
町のメガネ屋として
―最後に、メガネ屋さんとしてのこだわりについておしえてください。
原さん:「メガネの楽しさを伝えたい」というのがテーマにあります。メガネって、人によってはとっつきにくいものだったり、かっこ悪いものだったりすると思います。僕もメガネをやめてコンタクトにしたい気持ちをもった時期もありましたが、メガネはファッションアイテムの一つ、メガネの楽しいところにスポットライトをあてようという気持で、メガネはハッピーなアイテムだということを伝えていきたいと思います。
―素敵なお考え方ですね!私もメガネなので気分に合わせて色変えたりはするのですが、人から勧められたものをかけてみたいと思うことがあります。
原さん:ご来店いただいた方のイメージにあったコーディネートをするのは大好きなので、ご要望あれば是非お客さんとしてお越しください!(笑)
取材/藤原大介
撮影/白坂慎一郎
店舗名:DOWNTOWN
ジャンル:生活雑貨
問い合わせ:03-4361-4988
住所:〒104-0052
東京都中央区月島1-20-5
営業時間:1100-18:00
定休日:木曜日